2026年2月7日(土)、北海道新聞新本社ビル1階の交流スペース「DO-BOX EAST」にて、「2025年度 札幌マチヅクリ大学 成果発表会・修了式」が開催しました。本イベントは、昨年7月から半年間にわたり「まちづくり」について実践的に学んできたガクセーたちの集大成となる場です。札幌の創成イーストエリアや道北の中川町を舞台に、「愛されるまち」をテーマに多様な視点でまちの魅力と課題に向き合った若者たちの熱気あふれる発表や、世代を超えた交流が生まれた当日の様子をレポートします。

【ガクチョー挨拶】
イベントは、池ノ上ガクチョーの挨拶からスタートしました。「この日の札幌の快晴は、学生たちが1年間頑張ってきたご褒美だ」とユーモアを交えて労ったのち、「愛されるまち」をテーマに、多様なグループが実践的な活動に取り組んできたことを紹介しました。最後には、「練習したから大丈夫。笑顔で明るく本番を楽しんで」と、発表を控える学生たちへ温かいエールを送りました。
【成果発表会① 札幌マチヅクリ大学】
前半の成果発表会では、まず札幌マチヅクリ大学の4つのゼミが、創成イーストエリアを舞台に行った活動成果を披露しました。
阿部・荒井ゼミ(ワインと歴史とまちづくり)
創成イーストがかつてブドウ畑であった歴史を踏まえ、ワインを通じた地域活性化を提案。北海道神宮頓宮でのイベント開催など、歴史と食を掛け合わせた活動を報告しました。


鹿野ゼミ(ユニバーサルとまちづくり)
車椅子やベビーカー、スーツケースの利用者を「キャスターユーザー」という新たな言葉で定義し、実際のフィールドワークに基づいた誰もが歩きやすい最適なルートマップを提案しました。


長谷川ゼミ(お寺とまちづくり)
お寺に対する「暗い・堅い」というイメージを覆すべく、北海寺を舞台に子ども食堂の運営に携わった経験を活かし、ガクセーと大人がフラットに交流できる「大人食堂“ちゃけのま”」を企画・開催した実績を発表しました。


関場ゼミ(観光とまちづくり)
名所を回るだけでなく、地域で活動する「人の想い」に直接触れ、共感を生むことで観光とまちづくりをつなぐ「思いでつなぐ創成イーストツアー」の企画を発表しました。


【成果発表② さっぽろまちキャンパス共創事業】
続いて、マチヅクリ大学の発展形として、札幌市の「さっぽろまちキャンパス共創事業(通称:まちキャン)」に採択されて活動した3団体が発表を行いました。マチヅクリ大学卒業生が自分たちで企画を考え、一般の公募にチャレンジして補助金を獲得しての取り組みです。「まちキャン」で活動した3団体について、ご紹介します。
地域Link
キッチンカーを活用し、学祭や公園のイベント等で飲食店のPRを実施。若者へ地域の飲食店を周知し、地域活性化を目指しました。


池ちゃんたべたべ隊
創成イースト地区の飲食店の魅力を若者へ発信し、人と町をつなげる「SOSEI EATS」プロジェクト。取材をもとに作成したリーフレットを各種イベントで配布し、足を運ぶきっかけをつくりました。


おっちゃん本
子どもたちに向けた観光まちづくり啓発事業を展開。観光資源の舞台裏側を描いた絵本「永山邸とフシギな木」、「とけいだい がんばりやさん」の制作と読み聞かせにより、まちを大切に思う気持ちを育てることを目指しました。


【成果発表③ 中川マチヅクリ大学】
最後に、地方へのスピンアウト版である「中川マチヅクリ大学」の報告も行われました。ガクセーたちは、2週間にわたる中川町での合宿を通じ、大工仕事の体験や地域情報誌(タブロイド)の作成、マルシェの運営などに参画しました。ガクセー自身が「まちに恋をする」ほど地域に深く入り込み、関係人口創出の理想的なモデルを提示してくれました。


【フィードバック】
発表の後は、各ゼミのキョージュ陣よりガクセーたちへフィードバックが行われました。半年間の活動を振り返りつつ、ガクセーたちへ激励の言葉が送られました。ガクセーたちは真剣な表情で耳を傾け、ときには笑顔を見せながらうなずく姿も見られ、その様子がとても印象的でした。





【振り返りワークショップ】
その後は、参加者全員による振り返りの時間が設けられました。西尾コミュニケーション課長の進行のもと、ゼミや大学の垣根を越え、ワールドカフェ形式を取り入れたグループワークを実施。参加者たちは、「発表を通じて感じたこと」や「まちづくりで大切なことは何か」というテーマについて、活発に意見を交わしました。感じたことを次々と付箋に書き出し、互いの気づきや違いを面白がりながら共有し合う姿からは、この半年間の経験の深さを感じ取ることができました。



【修了式と総括】
最後に修了式が執り行われ、各ゼミの代表者に池ノ上ガクチョーから修了証書が授与されました。修了証を受け取るガクセーたちの晴れやかな表情が非常に印象的でした。




総括として、柴田ガクブチョーは「ガクセーの濃い活動のおかげで、まちづくりという言葉のハードルが下がり、身近なものになった」と評価。また、池ノ上ガクチョーは「まちづくりは行政や専門家だけのものではなく、自分ごととしてどう関わるかが重要だ」と語り、本プログラムの意義を強調しました。最後に、来賓の札幌市まちづくり政策局の朝村局長より、「変化していく地域の中で、ガクセーたちが『まちに恋をする』ような深い関わりを持ってくれたことは大きな財産。この経験をこれからの社会人生活にも活かしてほしい」というメッセージが贈られ、温かい拍手の中、閉会を迎えました。


閉会後は、学びの拠点でもあった北海道神宮頓宮へと移動し、懇親会(アフターパーティー)にてさらなる交流を深めました。
「まちづくり」と聞くと、どこか壮大で自分には関係のないことのように感じてしまう人も多いかもしれません。しかし、今回の「札幌マチヅクリ大学 成果発表会」でガクセーたちが教えてくれたのは、まちづくりとは「自分たちが暮らすまちの魅力を知り、人とのつながりの中で新たな価値を生み出していく、とてもワクワクする活動」だということです。
車輪のついた道具を使う人を「キャスターユーザー」と名付けたり、堅いお寺のイメージを払拭して「大人食堂」を開いたり。若者ならではの柔軟な発想と熱意は、確実に地域に新しい風を吹き込み、大人たちにも大きな刺激を与えました。
札幌マチヅクリ大学は、次年度以降も内容をさらにアップデートしながら継続していく予定です。この記事を読んで少しでも心が動いた方は、ぜひ次の「まちづくりの主役」として、あるいは彼らを応援するサポーターとして、地域の活動に一歩を踏み出してみませんか?まちを面白くするのは、他でもない私たち自身です。今後のマチヅクリ大学のさらなる発展と、そこから生まれる新たな「愛されるまち」の形に、ぜひご期待ください。


