鈴木キカク課長からコメントをいただきました

こんにちは。キカク課長の鈴木卓真です。
大人の本気の大学ごっこ「札幌マチヅクリ大学」は、ゼロイチの企画でした。誰も見たことがないから、手探りでのスタート。
「まちづくり」って何?僕は素人です。道路や建物など作るわけではありません。私の経験をどのように活かせるか懐疑的なところもありました。
そんな札幌マチヅクリ大学の始まりから、ちょっと大げさに振り返っていきたいと思います。

北海道まちづくり研究会でのワークショップ

2023年7月に「私たちの暮らしたい「愛されるまち」について考える」というテーマでワークショップを企画・開催しました。
学びのデザインを意識したワークショップデザインでは、知る活動と作る活動を明確にして、アイスブレイクから議論の中心までどのような「問い」を立て、何が学べるのか、何をアウトプットとするのかを企画書にまとめ上げ、当日のタイムラインを細かく作りあげました。
ここで議論したことが、この札幌マチヅクリ大学の形を少しはっきりさせたように思います。
その様子はこちらのPDFでご覧ください。

札幌マチヅクリ大学の形づくり

札幌マチヅクリ大学のキーワードは「愛される街」でした。当時私自身あまり考えてことはなかったのですが「街に色がない」という話が出ていて、東京にはたくさん色があるけど、札幌には円山くらいしか色がないという話がありました。
その意識づけや、こういう街にしたい!といった考えを持つためにも「愛される街」について考えること、そして、それを「自分ごと」として捉え表現すること・・・と考えたときに、自然と出てきたのが動画制作でした。

事務局メンバーからも、肯定的な意見をいただきました。
最後の1ピースとして、大切だったのではこの会が、どのように外から見えるのかです。
研究会?団体?としての顔となる形です。そのとき新社会人の弓野さんから「大学のゼミ風」のアイデアを出してくれたことがきっかけとなり、一気に議論が進みました。
大学の教授陣が、事務局で街で営んでいる人が教授になるという逆の発想、大学ごっこというからには、大学風を目指すけど勘違いされないように、随所にカタカナ表現を使おうなど、遊び心が満載になっていきました。
そうして一気に企画書をたたき台として書き上げ、全部で何回、何に何時間くらいの時間が割けるのか・・・など肉付けを行っていきました。

仕掛けづくり

札幌マチヅクリ大学のロゴは、遊び心を大切に、そして、○○マチヅクリ大学という発展を願い考え出しました。
私たちがしていることが面白かったら、他の地域でも広がっていくだろうと真っ先に思えたのは、TEDxSapporoを主催している経験から来るものでした。TEDxは世界中の地域や学校で広まり日本でもこれまで140個所で開催されました。
その横のつながりはとても強く、そんな関係性がマチヅクリ大学でも生まれたら良いと願い作られたロゴデザインです。加えて言うと、ドメイン名も広がったら良いという思いで、サブドメインで地域名をつけています。ウェブサイトの製作期間も1カ月もなかったですが、コンセプトが固まったので突貫工事で一気に作りあげたのは振り返ると良い思い出と言えるでしょう。
この1クールの運営が終了して、反省点もありますが、次のステージは深めていくことと、広げていくことの両輪だと思います。

5回のイベントを終えて

5回のイベント全てにおいて、学びのデザインを意識したワークショップデザインを行いました。シラバスのようなものではなく、1回1回の内容をとても綿密に詰めていきました。それぞれの役割と発言の骨子まですべて入れ込んだタイムラインを丁寧に作りあげていきます。時には、何色の付箋紙に書くのかまで細かく指定しています。重要なのは、集まってくれた学生さんが何を持ち帰るのか。短い時間でどのような経験ができるのか、そして、押し付けすぎないこと、どちらかと言えば、教えるのではなく、引き出す、つまりティーチャーではなく、コーチャーに徹することです。

理想的には、学生同士で学び合う環境づくりです。
例えば、「まずはフィールドワーク行って動画を撮ってごらん」、戻ってきたら学生同士鑑賞会をはじめます。私から伝えることは、「視点と視野ってそれぞれ違うね」って伝えました。そこで自分と何が違うのだろう?ナレーションが入っている。同じ建物なのにアップで映している・・・など動画を見て気づいたことを共有していきました。全体を通して、やりっぱなしで結果だけを求めるのではなく、結果について考える時間としてプロセスを意識することも大切にしていきました。
何か面白いって感じてもらえたらこっちのものです。その後の企画も、知る活動と作る活動を意識して、進めていきました。

もう少しこの会の中で撮影や編集する時間を取れたらよかったと思うことはありますが、結果的に全てのグループで、個性あふれる動画が生まれたことをとても嬉しく思います。
学生のみなさん、3カ月間お疲れ様でした!事務局メンバーのみなさん、半年間お疲れさまでした。そして、素晴らしい機会をありがとうございました。